英彦山の宗教民俗と文化資源

英彦山の宗教民俗と文化資源
4,000円(税別)

英彦山の宗教民俗と文化資源

福岡大学 福岡・東アジア・地域共生研究所 監修 白川琢磨

人々の篤い信仰に支えられ、千年もの歴史の中で特異な社会・文化を築き上げてきた日本三大霊山・英彦山。 明治政府による神仏分離令、それにつづくすさまじい廃仏毀釈の嵐で、全山が壊滅的なまでに毀損され、修験が否定された山からは山伏の姿は消えた。 そしていま、崩れた石垣から新芽が萌ゆるように、「神仏習合」をキーワードに力強い復興の兆しがみえてきた。 –古代から現代まで、新進気鋭の研究者が英彦山を多方面から紐解く。

 

目 次
英彦山の信仰と民俗 白川 琢磨 彦山信仰の錯綜/ヒコとヒメ―彦山信仰の基層 /如意宝珠とオホシサマ―仏教と民俗の接点/顕密寺社の神祭の原型―「二季五節供」「延年」の残存―彦山周辺の神家祭 /舎利と米―「松会」の主題/英彦山の文化復興への道

伝承からみた彦山―宝珠を中心に 𠮷田 扶希子 彦山の縁起/如意宝珠/脊振山南の珠の信仰/霧島の如意宝珠

英彦山信仰の歴史的変遷の考察 桃𥔎 祐輔 研究略史/古代の彦山をめぐる環境 /法蓮と奈良・平安時代の山居/彦山の天台密教化  中世前期の英彦山/黒川院の成立と彦山修験者の活動  遺品/近世の彦山信仰

英彦山の伝燈大先達 –英彦山修験道を牽引した山伏たち 山口 正博 はじめに/中世英彦山の伝燈大先達/近世英彦山の伝燈大先達/まとめと今後の課題

江戸時代後期における唐津の英彦山派山伏について 中村 琢 法頭と法務方/色衣と法印官について/唐津藩における英彦山派

記録からみる英彦山参りの現在 須永 敬 資料「年参り(代参・祈願)団体名」について/英彦山参りの頻度と時期/祈願と授与/参拝者の地域分布/おわりに

英彦山参りと英彦山講に関する一考察 –現代からの射程 亀﨑 敦司 英彦山参りと英彦山講の現在/現地調査から見る近年の状況/権現講社の現在

英彦山神宮における産業安全祈願祭について 藤坂 彰子 英彦山神宮産業安全祈願祭とは/現在の英彦山神宮産業安全祈願祭/英彦山神宮における産業安全祈願祭の始まり

価格: 4,000円(税別) 発売日: 2017/10/01
ISBN: 978-4-901483-97-1 ページ数: 402
在庫状況: あり 判型: A5判/上製