世界小説史論 |
世界小説史論(上・下) 目加田 さくを 著 平安文学の泰斗がおくる本書は,小説を鮮やかに定義し,西暦前から十三世紀まで古代メソポタミア,エジプト,インド,ギリシア,西欧,北欧,から中国,日本など世界各国の小説を紹介,その誕生から展開期,黄金期まで解説するグローバルな視野に立つ比較文学論であり,物語の展開とその可能性を提示し,豊潤な物語世界を旅する極上の案内書である。 読者は上巻で紹介される,古代ギリシア悲劇の完成された物語の構成,人間に対する深い洞察力に圧倒され,つづく中国,唐代にいたるまでの現代人をはるかに上回る想像力に驚愕し,畏怖するが,その一方,著者の視線は物語世界の次なる展開に冷静に向けら,鮮やかに読み解かれる。
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