デラシネの花〈上〉


デラシネの花 上

1,800円(税別)

デラシネの花
ネクラで引っ込み思案の少年がなぜ「聞き書き作家」になったか

小田 豊二

僕の前に道はない。僕の後ろに道は出来る
 高村光太郎の詩を胸に、少年は歩き出した
 故郷をもたない根無し草・デラシネ、終戦直前に生れ、満州から引き揚げてきた孤独な少年の教師はラジオだった。
 落語、浪曲、歌舞伎、講談…。後年、大衆演芸から重要無形文化財まで幅広い分野の芸能に造詣が深く、人間味溢れた名インタビュアー、聞き書き作家、文筆家となる小田豊二の原型がここにある。

 早稲田大学学生時代の一年間の南米放浪、出版社の新米記者として「プレイボーイ」をはじめ篠山紀信との過激な取材等、その青春の軌跡から昭和の熱い息遣いが聞こえてくる前編。友達に、全国に広がった「聞き書き」の仲間たち、弟子たちに贈るやさしく、ユーモアとパトス漂う最後のメッセージ。

「僕の話は誰が聞いてくれる?」先生の声が聞こえてくる。

 

価格: 1,800円(税別) 発売日: 2025/8/20
ISBN: 978-4-909317-49-0 ページ数: 218
在庫状況: あり 判型: A5判/並製